鉛筆と消しゴム

鉛筆について

 9H・8H・7H・6H・5H・4H・3H・2H・H・F・HB・B・2B・3B・4B・5B・6B これは鉛筆の規格であり、硬さを表した数字ですが、同時に濃度も表しています。鉛筆ひとつとってもこれだけの種類があることに驚くと同時に、環境や年齢、こだわりなど様々な用途によってその時の描き手に合った鉛筆を選ぶことが出来るといえます。

 私が初めて鉛筆を手に持ったのは、おそらく小学生になった時だと思いますが、おそらくほとんどの人も同じなのではないでしょうか。

 昭和40年代後半、大きな筆箱が流行りいろんな筆記用具を揃え入れて学校に行っていた記憶が有ります。まだシャープペンシルが無かった時代で、短くなった鉛筆を持ち易くする鉛筆ホルダーや、芯が丸くなったら芯先を外してペンの後ろから入れて新しい芯先を押し出すロケット鉛筆などはとても記憶に残っています。

 それから現在まで、長い間筆記用具として常に身近にあり、日用から勉強や仕事での記憶力の良きサポーターとして幅広く活躍してくれました。そしてこれからも形は変わっても欠かす事の出来ない物であり続けると思います。

 用途によって鉛筆自体も様々な種類があり、自分に合った鉛筆を選ぶことが出来るので準備する前に少し知っておきましょう。

 鉛筆の硬さ = 濃さ について、軟らかいほど濃くなり、硬いほど薄くなってゆきます。

 軟らかい鉛筆はブラックで表されるBから、とても軟らかい6Bまで有ります。

 硬い鉛筆はハードで表されるHから、とても硬い9Hまで有ります。

HとBの中間の硬さに位置付けられるのが、ファームで表されるFと、ハード・ブラックのHBとなり、ファームとは「しっかりした」という意味でHとHBの中間にあたります。

 私が若い頃に主に使っていたのはHBでしたが、最近はBや2Bを使うそうですが、実際私もHBは硬く薄いなと思いながら使っていた記憶があります。

 参考になるか分かりませんが、現在使っている鉛筆でスケッチブックに試し描きした写真を載せてみました。

HBの鉛筆

4Bの鉛筆

8Bの鉛筆

2Bのフラット鉛筆

 また、手に馴染んだ物であればシャーペンや炭なども制限なく使って表現してもいいと思います。

 細く削って細部を、斜めに持って動きのある線を、擦って影を描写したり様々な工夫を様々な濃度の鉛筆を選ぶことで表現することが出来ます。

 鉛筆の芯の硬さにこれほどたくさんの種類があるのは、用途以外にも、人それぞれの書きやすい好みの硬さがあるためだと思うし、長い歴史の中で使う人に受け継がれ、求められてきた証ではないかと思います。

消しゴムについて

 消しゴムはその用途によっては様々な物があります。

 余談ですが、小学生時代に「消しゴムの用途では使わない消しゴム」がありました。

 一番記憶に残っているのは、怪獣の消しゴム、そして当時活躍されていた大相撲の力士の消しゴム、そして一世を風靡したスーパーカーの消しゴムなど、大きな流行の波が何回も押し寄せて、その度によく対戦して遊んでいたので記憶から消えないほどの強烈な印象が残っています。

 消しゴムありきではなく、当時のガチャガチャの景品で、結構リアルにできていたおもちゃが消しゴムのようだったという事でしょうか。

 話が逸れましたが、そのような昔の思い出から、どちらかというと鉛筆よりも消しゴムの方に親近感を感じるのは私だけでしょうか。

 実用的なものでは、主にプラスチック製の弾力のある消しゴムと、自由に形を変えられる練り消しゴムが有ります。プラスチック製は一般的な四角い物からペン型で細い物もあり形状が多種で、練消しはとても軟らかく、好みの大きさにちぎって使えるためストレスなく使えます。

 プラスチック製消しゴムに比べ、昔ながらの天然ゴムなどを使った環境に優しいラバー消しゴムもあり、私は実際に使っていますが、特にストレスなく使っています。

 一般的にゴム製の消しゴムはシャーペンや鉛筆の後ろに付いています。そして鉛筆画ではあまり活躍しないですが研磨剤が入っている砂消しゴムがあります。

B4鉛筆で描いた絵を練り消しゴム消しています。使い方は擦ったり押さえ付けたりと軟らかいから消し方も工夫できます。
小さくちぎって使えるので便利ですが、濃く描いた部分はしっかり消すことが出来ません。

練り消しゴムで消えなかった部分をラバー消しゴムで消しています。よりしっかりと消すことが出来ます。
ポリ塩化ビニルが入っていないので体に優しい消しゴムです。

練り消しゴムと違って、他の消しゴムはしっかりと消すことが出来ますが、消しくずがどうしても残ってしまいますので掃除の手間がかかります。

 スケッチングでは主に、軽く描いた部分は消しかすを出さない練り消しゴムを使い、強く濃い部分は練り消しでは完全には消えないのでプラスチック製などの消しゴムを使います。

 消しゴムの中にはいろんな科学物質が入っている物も有ります。使い終わった消しゴムは、健康のためにも、入っていたケースやビ二ールに包んで保管し、消しくずは残らず掃除しておきましょう。

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