人物を描いてみようと前々から思っていましたが、人物といっても年齢や性別、服装などを考えると、とても範囲が広くてなかなか描きたいと感じる人物のイメージができませんでした。
しかし、スケッチを上達する上で人物を描くことが出来るか否かでは、今後の描ける世界の幅が大きく広がると思うので、挑戦してゆきたいとも思っていました。
今回は、古いアルバムの中の一枚の写真から描き出してみようと思います。亡き父が写真が好きで、出掛ける時は必ずデジタルカメラを持って撮影していました。若い時も二眼レフのカメラでたくさんの思い出の写真を撮ってはアルバムに保管してくれていました。
お盆の時期でもあるので父が残した懐かしい題材で2点描いてみました。
私と母、そして妹、どちらも1歳。1960年代後半頃の表情です。
大まかな配置で絵描き始めた。この先上手く描けるか不安。
顔の表情を写してみた。ここでは表情だけに集中して何回も描き直した。瞼一本の線の引き方が違うだけで別人のようになってしまう。
細部を描き入れて輪郭線にメリハリを出してみる。ここで終わるつもりだったが母の顔が小さくなってしまっているため、遠近感に違和感が出ている感じがする。
顔の表情が大分落ち着いてきた。まだ実際の顔とは微妙に違っているので修正したいところですが、紙が傷んできているのでここまでにしたいと思います。
背景は実際は人が多く混雑していたため、省略して想像で薄めに描き人物を強調しました。当時の写真を見ると、人が多く商店街は活気にあふれていて、明るい良い時代だったのではないかと感じます。
妹の掃除の表情。
最初に特徴のある服装から描き始め、脚→腕→頭部とバランスを取りながら配置してみた。
少しづつ細部を描きながら、背景も加える。
重心は左脚。ほうきの角度とその先を見ている視線に注意します。
メリハリを加えて引きで見直すと、頭部に少し違和感があるので修正してみます。
頭部の違和感は、髪の毛の量と配置だった。
顔の向きに対して髪の毛の向きにズレがあったので修正したら良くなった。
※ちなみに1歳になる前には歩いていたそうです。
実際に描いてみて、写真構図が良かったので描き易かったのですが、時間が経つにつれリアルに描きたい欲求が強くなりすぎてしまい、私が表現したかった懐かしさが薄らいでしまったのではないかと感じています。もっと人物を描き、観察と表現力を磨いて行きたいと思います。
未熟な描きを見て頂きありがとう御座いました。
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